祈り

短い記号

ソレ

" ソレ " は突然 自分に降りかかる不幸なんの予告もなく 前触れもなくあっという間という言葉が 正にその通りなのだとその時にならなければ 知ることもなかった呼...
短い記号

わたしを呼ぶ声

夢を見ていた気がするどんな夢だったっけ思い出そうとすると霧のように消えてしまう楽しかったような悲しかったような憶えていたいのにいつも忘れてしまう忘れっぽいのかな...
短い記号

花束とシュークリーム

あら お久しぶりです 偶然ですねお元気でしたか? 少し痩せられたんじゃ?ここへはよく来られるんですか? そうですか何事もなく 安心しました私どもは はい つつが...
短い記号

愛してください

冷たいコンクリートの上 うなだれる背中声をかけることさえためらった立ち尽くしたまま ひりひりする心振り向いた瞳には 何も映しやしなかった愛されることも 赦される...
短い記号

よいときも、わるいときも

今日より善いときも 悪いときもきみの滑らかで柔らかな被毛は変わらない富めるときも 貧しいときもきみのしっとりと濡れた鼻先は変わらない病めるときも 健やかなるとき...
短い記号

空に

金属のぶつかり合う音布と布とがこすれ合う重ねた食器がかちゃかちゃ鳴る小さなざわめき床を蹴るサンダル規則正しい電子音クレゾールの匂い白い部屋でぼんやり考えるたまし...
物 語

地上の愛 XVI

ACT.16 果ての森少しやつれたように見えるものの、ルフェルはしっかりとした足取りで水晶の間のシルフィに歩み寄った。フィオナとディオナとモーリアに深々と頭を下...
物 語

地上の愛 XV

ACT.15 シルフィシルフィの亡骸をエデンに運んだミシャは、ひとり泣きふせっていた。ルフェルは堕天して死んだ。もう二度とあの優しい声を聴くことも、大きな手に触...
物 語

地上の愛 XIV

ACT.14 死ルフェルは玄関の扉にからだを預け、青白く地上を照らす月灯りの中で打ちひしがれていた。僕はいまこんな所で何をしているんだ。本当にノエルは無事でいら...
物 語

地上の愛 XIII

ACT.13 ネフィリム「同族殺しは大罪だ」死を司る女神は静かな怒りをその胸に滾たぎらせていた。生き物の死期を見極め、安らかな死が訪れるよう最期の力を与える女神...