愛してください

愛してください
短い記号

冷たいコンクリートの上 うなだれる背中
声をかけることさえためらった
立ち尽くしたまま ひりひりする心
振り向いた瞳には 何も映しやしなかった

愛されることも 赦されることも知らず
名前すら与えられず 呼ばれることもなかった
ひとの手があたたかいことを憶えることもなく
行き着いた場所は 暗く冷たい檻の中

心を持たない哀しいきみを
救う力を どうかください
おこがましいよ 救うだなんて
そんな力もありはしないのに

ただ 愛させてください そばにいてください
その瞳にせめてぼくだけは映るくらい
きみの名前を呼ばせてください 何度も何度も
撫でられることを ぬくもりを 優しさを
ぼくがあげられるものは 決して多くはないけど
いつかぼくのことを 愛してください