夢を見ていた気がする
どんな夢だったっけ
思い出そうとすると
霧のように消えてしまう
楽しかったような
悲しかったような
憶えていたいのに
いつも忘れてしまう
忘れっぽいのかな
なんだか寂しいな
フワフワしている頭の中
ずっとスッキリしない
花束を大事そうに抱えてる
あのひとを見たことがある
誰だったかな
どこかで逢ったかな
気になって着いていったら
しゃがみこんで誰かと話してる
周りには誰もいないのに
どうして泣いてるの?
どうして
わたしの名前を知ってるの?
泣きながら
何度も何度もわたしを呼ぶ
わたしは何かを思い出す
憶えていたいひと
夢のように消えてなくならない
わたしのたったひとりの
おかあさん
泣かせてごめんね
いっぱいごめんね
夢を見ていた気がする
どんな夢だったっけ
ああそうだ
おかあさんと手をつないで
笑いながら歩いてた
あたたかかった手の形を
いま思い出した