大学生

第九十二話　解語の花「本っ当に三十分だけだからな」半ば強制的に連れて来られた "新規オープンの小洒落こじゃれたカフェ" のテーブルの上に、タイマーをセットしたス...

第九十一話　砂上の楼閣はじめての時はさすがに右も左もわからなかったけど、ディレクターとフォトグラファーがちゃんと指示を出してくれることを学習したオレは撮影に戸惑...

第九十話　仰げば尊い推し「卒業生 答辞。卒業生 一同起立。代表 一組 久御山 賢颯くみやま けんそう」「はい」── 厳しい寒さの中にも時折、開花を待つ桜の息吹が...

第八十九話　濡れぬ先こそ露をも厭え「……いま…なんつった？」「受験…やめる…ん……っ…あ…」「待て、ちゃんと話を」「話より…先に…すること……ある…ん…」……そ...

第八十八話　席暖まるに暇あらず新幹線の運転士をしばき上げることはなかったが、京都駅から東京駅、そこから家に向かうまでの間、湊みなとにどう連絡すればいいか悩み続け...

第八十七話　泣きっ面に蜂蜜まったく無関係の、しかも今日はじめて逢ったばかりの燠嗣おきつぐに、たとえ脅しであったとしても鋏はさみを向けるとか頭おかしいんじゃねえの...

四方山話 其の参　とある世界線の初日の出クリスマスも終わりひと息吐いたところで、年始の準備に余念のない姉から花を買って来いと申し付けられ、生け花用の花を適当に見...

第四十七話　踵で頭痛を病む狐憑き「……オレをどうするつもり？」「ああ、先に言っとくけどおめェの荷物は東京駅のコインロッカーの中だ」「…っ……」「スマホのGPSと...

第四十六話　狐がつまむ狐憑き「写真、いくらよ」情報屋としてシロクロ兄弟を働かせ、最後にまとめて成功報酬を払うという方法を取ると、ヤツらの胸先三寸で要求金額がヒト...