短い記号

空に

金属のぶつかり合う音布と布とがこすれ合う重ねた食器がかちゃかちゃ鳴る小さなざわめき床を蹴るサンダル規則正しい電子音クレゾールの匂い白い部屋でぼんやり考えるたまし...
短い記号

彼女

疲れたら 立ち止まってもいい事を悲しみを 声に出してもいい事を苦しみを 我慢しなくていい事を寂しさを 口にしなくていい事を教えてくれたのは いつだって振り向けば...
短い記号

いとおしいもの

あたたかくて やわらかくていとおしくて しかたないそばにいても はなれててもいとおしくて きりがないこんなきもちを くれるものはきっとどこにも ほかにいないいと...
短い記号

ゆっくりと

なんにもしたくないなんにもかんがえたくないだれにもあいたくないだれともはなしたくないのどのおくがいたくてなきそうになってることにきづくないてもいいんだけどないて...
短い記号

ほんとはね

あなたの さよならを 引き止めないのはわたしの さよならが まがいものだからお互いのためだよ うん そうだね なんてあなただけのためだよ キレイごと いらないあ...
短い記号

他愛ない話

きみが 遠く離れたから愛しさが可哀想なわけではなくぼくが 蔑ろにされたその事が許せないだけだったんだ忘れられない事もしあわせな記憶ではなく 痛みばかり貰ったもの...
短い記号

あるがまま

毎日 一緒に寝て 起きてでも それに 飽きちゃって 飛び出してそれでも ごはん時には 帰って来て毎日 朝 昼 晩それから 晩は来なくなって 朝 昼それから 朝だ...
物 語

あのときの僕の話をしよう 8

その36僕が言い出さなければ彼女からその話が出ることはないだろう。相応しくないとか、わたしのためっていうのはイヤだとか、なんだかんだ余計なことを考えてどうせ彼女...
物 語

あのときの僕の話をしよう 7

その31気落ちする彼女を抱き締めて、口移しでシャンパンを注ぎ込む。大丈夫、サプライズがきみにとって本当の意味で驚きだったことは残念だけど、僕はこんなにきみを愛し...
物 語

あのときの僕の話をしよう 6

その26どれだけ寂しくても、どれだけ不安でも、容赦なく陽は昇り朝はやって来る。昨日の夜抱き締めた彼女のぬくもりは消え去っていて、体温の低い僕はひとりで上手にから...