時は経つ

時は経つ
短い記号

もう決して綺麗とは言えなくなった
乾いた皮膚 緩んだ頬
深夜のテレビでは まるで魔法のように
アンチエイジングを唱え続けてる

恋することも ときめくことも
この先ありはしないと言い聞かせ
鏡に映る姿が寂しそうなことに蓋をする

過ぎて行く時間は止められない
しあわせでも そうじゃなくても
等しく1日は1日として 与えられている

未来に夢を見るなら 足掻いたかもしれない
でも 失うものも 守るものもないこの腕は
だらりと垂れ下がったまま 動こうとはしない

立ち止まって 何を待っているの
問うても答えは見つからぬまま

欲もなく 見栄もない 誰もわたしを見ない
アンチエイジングの呪文をリモコンで切って
眠りにつこう 勝手に明日は来るのだから