進化論

進化論
短い記号

きみを思い出すと 呼吸ができなくなる
純真な瞳も 卑猥な口唇も
血液が沸騰して 逆流する感覚を
手懐けられなくて いつだって苦しいんだ

幸せな痛みに 裸軆を浸しながら
覚えたての言葉で 感情をなぞって
つながったその部分が 何より素直なふたり
すべてを預けたら 正気ではいられなくなる

何故こんなに
別の誰かを自分に照らし合わせて
何故こんなに
きみを理解りたいなんて望むのだろう

言葉じゃない その存在自体が愛だ
きみを創造するすべてに嫉妬して
やがて愛しさを育てて行く
言葉じゃない その存在自体が愛だ
いつか容れ物を失くしたら
迷わずにきみへ召されて行くのだろう