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第五十二話　足下から鳥が立つ「……これは…」桐嶋きりしまは血液検査の結果を見ながら眉間にしわを寄せた。まあ、これだけでは何とも言えない、と聴診器を首に掛け大きな...

第五十一話　爪で拾って箕で零すやっぱり具合悪かったんじゃないか？ でも、何も言わずに早退するってどういうことだ？ もしかしてなんか怒ってる！？ いや、久御山くみ...

第五十話　月に叢雲、花に風久御山くみやまは慌てることもなく僕に布団を掛けると、立ち上がって嵩澤たかざわに近付いた。「……何？」「何って……何してるんですか…」「...

第四十九話　悪獣もなおその類を思う「おはよ…藤城ふじしろ、どうだった？」玄関で一ノ瀬いちのせに声を掛けられ、うーん、と曖昧な返事をしながら下駄箱の扉を開けると、...

第四十八話　閨事、千里を走る学校の中庭で久御山くみやまから濃厚なキスをされる、という衝撃的な出来事から一週間、僕が懸念してたような罵詈雑言や差別などは一切なく、...

第四十七話　踵で頭痛を病む狐憑き「……オレをどうするつもり？」「ああ、先に言っとくけどおめェの荷物は東京駅のコインロッカーの中だ」「…っ……」「スマホのGPSと...

第四十六話　狐がつまむ狐憑き「写真、いくらよ」情報屋としてシロクロ兄弟を働かせ、最後にまとめて成功報酬を払うという方法を取ると、ヤツらの胸先三寸で要求金額がヒト...

第四十五話　その男、桐嶋 彌秀「あ？ もっかい言ってみろ」「すっ…すみません、すみません…！」「あー、日本語わからねェヤツだったか、わかるヤツと代われや」「すみ...

第四十四話　東男と京男 其の参「湊みなとは……オレと離れたい？」僕を抱き締める久御山くみやまの腕が温かくて、一瞬、何を言われてるのかわからなかった。「……オレは...

第四十三話　東男と京男 其の弐「一時的な記憶障害でしょう、すぐ戻りますから心配いりませんよ」「すぐ、とはどれくらいの時間を指すのでしょうか」「そうですね……数分...