雪が

雪が
短い記号

さっきから しんしんと雪が
この世界から音を取り上げたように
ただ 静かに落ちてくる
目の前で そうっと積もっては消え
消えてはまた そうっと積もる

朝になれば 何もかも覆い尽くし
辺り一面を白く染め上げているだろう

見慣れた景色が美しく見えるとき
心の汚れが浮き上がる気がして
ずっと見ていたい憧れと
目を背けたい罪悪感がひしめく

そんなことなど知らん顔で
静かに 儚く 雪は降り続ける