カナリア

カナリア
短い記号

あれからどれくらい経つんだろう
美しかった声は嗄れて
歌を忘れたカナリアは
ひとりぼっちで籠を揺らす

いつまでこうしてる気なんだろう
窓の外 変わって行く景色
部屋の片隅 積もる塵さえ
時の流れを思い知らす

あなたがいない たったそれだけで
ここは まるで 空みたい
見覚えのある部屋で繰り返す
どうか 夢で あるようにと

羽根を散らし 止まり木にしがみついて
その場所を離れずに
今も 愛するひとを しゃがれた声で探し続ける
何処にいるの? ここから連れ出して
カナリアは気づいてる
今は 愛するひとが 別の夢を見ていることも