短い記号

あの夏

流れる汗にも気付かず 走り続けた帰り道夏の終わりのにおい なんだか寂しくて陽が短くなったね まだ遊び足りないのに楽しい時間をどこに置いてきたの?この角を曲がると...
短い記号

ありがとう

ありがとう わたしと出逢ってくれてわたしを愛してくれて 優しくしてくれてありがとう わたしを叱ってくれてわたしを包んでくれて 大事にしてくれてあなたを愛したから...
短い記号

悲しいから

悲しくて泣き続けた 枯れることなく溢れてくるままに 頬を濡らし続けた心の準備も 頭の整理も できるわけなかった考えることなんて たったひとつだった楽しかったこと...
短い記号

戒め

嫌われたくなくて 我慢するより好かれたくて 努力するほうがきっとその想いが 伝わるはず苦手なことより 得意なことをできないことより やりたいことを言葉にしたほう...
短い記号

センサー

なんにもわかんないくせに泣いてると 何故か横にいる全部知ってるよと言わんばかりに手の甲を優しくなめる普段は呼んでも返事もしないしなでると迷惑そうな顔で頭をもたげ...
短い記号

もっと ちゃんと

死ぬまでに何度 さよならをするんだろう動かない時計破れたかばん落とした電話ゆがんだ眼鏡欠けたカップ伸びたセーター開かないピルケース座れない椅子倒れる本棚書けない...
短い記号

進化論

きみを思い出すと 呼吸ができなくなる純真な瞳も 卑猥な口唇も血液が沸騰して 逆流する感覚を手懐けられなくて いつだって苦しいんだ幸せな痛みに 裸軆を浸しながら覚...
短い記号

fetishism

暗闇に浮かび上がる輪郭 縁取る月灯り確かめるのは愛ではなく 欲望の深さだろうこの夜の事が 例え罪と呼ばれようとも後悔などしない自分を 確信させたあなたの肌何気な...
短い記号

夢を見る

そっと指輪を外したらそこだけ陽に焼けてなくて指にまとわりつく白い痕消したくて何度もこすった目が覚めるたびに どっちが夢だったのか思い出せなくて 泣きたくなるあな...
短い記号

日常

目を覚ますと 僕の視線がアラームみたいに きみを起こすもう少し寝ててもいいんだよって言うと一緒にいる時間が減るからって目をこする同じ部屋にいるんだから変わらない...