天使

ACT.13 ネフィリム「同族殺しは大罪だ」死を司る女神は静かな怒りをその胸に滾たぎらせていた。生き物の死期を見極め、安らかな死が訪れるよう最期の力を与える女神...

ACT.12 罰それからの日々は穏やかだった。ルフェルの翼はそれ以上抜け落ちることもなく、シルフィは健やかに育って行った。しかし、ノエルにはひとつ気掛かりなこと...

ACT.11 ミシャ「だいじょうぶよ、ルフェル」「だめだよ。だって空のめがみさまだって、森のめがみさまだって、入っちゃいけないって」「ちょっと入口をのぞくだけだ...

ACT.10 水晶「……なんだ……これは」ルフェルは足元を見てつぶやいた。いつもより少し遅く目覚めたルフェルは慌てて飛び起き、ベッドから抜け出そうと床に足を着い...

ACT.9 生命……何かが小さく弾けるような音を聞いて、天使は振り返った。「いま、何か音がしなかった？」「音？ どんな？」「ええと……何か……小さなものがぶつか...

ACT.8 恋ルフェルも薄々感じてはいた。もしかしてノエルは、他のこどもたちに比べると成長が遅いんじゃないだろうか。同じ年頃の子が十二歳になっているというのに、...

ACT.7 ジョシュアいつものビルの屋上で空を仰ぎながら、ルフェルは久しぶりの休日を持て余していた。何もすることがない。いや、正確には何もしたくない。排気ガスで...

ACT.6 罪ノエルと一緒に結晶の器を探し始め、ノエルの誕生日を祝うのも五回目を迎える頃。いつもと同じように、ルフェルの左腕を枕に、その胸に背を押し当て右手のひ...

ACT.5 ふたり「ノエル、お願いだから出て来てくれないか」朝からルフェルは焦っていた。ベッドで眠っていたはずのノエルの姿がない。居間はもちろん、寝室も書斎もキ...

ACT.4 ノエル"結晶の器" となる女を探すことは、そうそう簡単なことではなかった。年齢、健康状態、伴侶との信頼関係、家計の状態、近所の評判や親族の品格、そし...